バーフバリ/伝説誕生を観なかった奴は滝つぼに落ちて死ぬ

「ボリウッド」なんて名前があるくらい、インドは映画作りが盛んだっていうのはなんとなく知っていたし、だいぶ昔になにか観た気がする。全然覚えてない。

それからぶっちゃけ、今回アマゾンプライムでレンタルして観て思わず記事にしてしまった「バーフバリ 伝説誕生」ってのも、割と個人的評価は高くない。予算もあるだろうけど、割とおおざっぱ。そこらへんは後で書きます。

でもツイッターで書きまくってるのも正直うるさいし、私のツイートに反応して周りが歌い出したり崖登りを止めたり手にこっそりタトゥー書きに来ても困るので、ブログにしたためることとした。音楽系のブログで何やってるんだって?うるさい、シヴァ神の乾きを潤す贄にするぞ貴様。


バーフバリ/伝説誕生とは

これはシヴドゥ(本作の主人公)が成長後、集落にあった像を怪力で持ち上げて滝つぼに置いて来るシーンですね。序盤です。

この怪力無敵おちゃめなロマンティックダンディ・シヴドゥが、めっちゃ白い布ひらひらさせる女神の誘いで、集落近くの天高くそびえ立つ滝を登り、本当の故郷を目指すのが事の始まりです。書いてて意味わかんねえと思ったけど、まじで。

前半の1時間40分くらいはシヴドゥの成長と故郷を目指す話。40分くらいたっぷり使って先代の話、となってます。父子そっくり(っていうか同じ役者)なので、何が起こったのか分からず一瞬焦った。シヴドゥの話がなかったことにされたのかと。

さらっと書きましたが、映画の尺は約2時間20分と、「ヒトラー 最後の12日間」の2時間半に迫る大ボリュームです。

現在上映中の「バーフバリ/王の凱旋」はこちらの続編。どっちから観ても楽しめるとは言われていますが、やっぱり初めからちゃんと観たいっていう気持ちと、だいぶ気分が鬱々としてたのでむしゃくしゃして400円払ったってのはあります。

著者、この時点でどこから何を説明したらいいのか分からない。ちゃんと概要になってる?これ。

インド人ってもしかしていつもこんなテンションなの?

何かあれば、とりあえず歌い出す。踊る…のは少なかったな。兵士は息がぴったり、号令きっちり。王子が来て座ると黙って起立。無言の手信号で全部伝わる。大臣のテントは黙って破る。叫ぶと必ずディストーション。滞空時間多めのジャンプ斬り(おそらく攻撃力2倍)。

そして主人公はダンディでロマンチストでおちゃめさん。

気に入った女に川の中から近づいて手にタトゥーを描き(息継ぎしないので気づかれない)、女が木の上で見張りをしようもんなら更にその上に音もなく現れまたタトゥーを描き(ヘビをそっと腕に這わせたので気づかれない)、あげくその女と戦闘になったのに戦いながら相手の服を剥ぎ果実でメイクしてあげてスカートを巻かせ滝に写して「美しい女性だ」ということを気づかせ、そのまま抱く(周りは森と整備された石膏の噴水と無人スワンボートなので誰にも気づかれない)。

そしてその女が敵に囚われたら、相手が何人いても殴り倒す。雪崩を起こして雪に埋める。木の皮剥いでソリにして逃げる。城壁を登って侵入すると何故か鎧が具現化する。奴隷の代わりに縄を引くと、ガンダムサイズの金の像が、がっつり横に引いてるのに何故か前に起き上がる。変装はすぐバレる。

全く意味がわからない。強すぎる。

映画がいくらフィクションとはいえ、やっぱり国民性ってのは自ずと出て来るもんだと思う。

日本の映画は「みんなで力を合わせて問題解決」ということが多く、アメリカ映画は基本自由だけど愛国心のあるワンマンヒーロー。フランス映画は独特のスピード感にガツンとした盛り上がりのないふんわりゆらゆら。ドイツ映画はキリッとシャキッとした展開が多いように感じられる。イタリア映画は飯が美味そう。

なので、今回のバーフバリで歌う回数ってのが非常に多い点、アクションの激しさ、忠誠心、ヒーローや王の描かれ方、滝を登ったのに妙に高低差を感じない世界の平たさ、ロマンチックな雰囲気のときは石膏と緑と水の溢れる素敵な空間が突如として現れスワンボートが勝手に動くというのは、やっぱりインドという国ならではなのだろうと思う。

ちなみにカレーは出なかったので、インド=カレーという方程式は思い違いかもしれない。日本のインドカレー屋って呼ばれてるもののほとんどが、ネパール人運営らしいし。ね。

インドに対する勘違いが色々治ってよかった。インド人は声を揃えて「異議なし」と答え、滞空時間の長いジャンプ斬りをする。

音楽的な演出について

ぼちぼち音楽的な部分を触れないと、このブログに沿わないとマヒシュマティ王国民になりたがってる人に怒られる気がするので、触れる。

個人的には、歌い出したら踊り始め、どこからともなく人が集ってリズミカルに踊り、男性は情熱的に女性に迫る。っていう、インドのPVっぽいのを期待したんだが、バーフバリはその点、そこそこ淡白。

歌の役割は物語の補助、語り部。いなくなった王子が帰って来た、国はこれからどうなる、的な内容だったり。ここはとても面白いし、他の国の映画にも観られる手法ですね。

ただ如何せん、10分に1回は5分くらいの歌が入る。言い過ぎたかもしれないが、そのくらいのペースで入ってた気がする。それくらい、歌に支配されてる。きっと歌うってことが日常的なんだろうなぁ。

フィルムスコアリング面。まず、パーカッションが多い。グランカッソとかみたいな大太鼓でドッカンドッカン派手にやる。それからウドゥとかって言ったかな?ドゥムンドゥムンっていう気持ちいい音をたくさん聞きました。

またシタール、バンスリとかのインド楽器、リード系の独特な音とかの民族楽器も聞けましたが、基本は金管、木管と打楽器って感じ。

「The インド」っていうのは歌に感じました。体がナナフシ並みに硬い私でもステップが踏めそうな、今にも踊り出しそうなリズミカルな感じ。

でも劇伴はそんなでもない。大太鼓どっかんどっかん、ストリングスざっくざく弾くオスティナート、後ろから派手なブラスで押すっていう、モダンなスコアリングって感じ。

メロディのしゃくる感じ、コード進行的な部分に、なんとなくこっち側のアジア味を感じました。やっぱりインドもアジアなんだなーっていう印象はある。

残念だなーってのが、劇伴が突然途切れるという点。フェードアウトなりスパッと切るならリバーブで軽く残すなりすればいいのに、本当にスパッと切れるので変な感じ。音楽的な尺も微妙なところでバッサリなので、凄く不自然です。映像に合わせたっていうより、作った音楽を映像に合わせて切った感じ。

カメラがキャラクターに迫ってハッとした顔をどーんと画面に写す、っていうシーンで音楽がぷっつり消えるので、妙にシュールな画に見えちゃうんですよね。頭の上に「?」が付いてるんじゃないかってくらい、シュール。みんなポカーン。

あと音量のバランスなのか、リバーブ感のないデッドな音作りなせいか、セリフよりも劇伴がでかく感じる。それから、なるほどミッキーマウシングはダサくなるなっていうのが良くわかるシーン多め。エンドロールは曲の尺足りなすぎてめっちゃ尺余り。

などなど、劇伴の音作り、映像への合わせ方の(良く言えば)勉強になるなーっていう部分こそ多いんですが、ボロクソに言うほどのダサさは感じない。

先代の話になってからの作り込みなんかは凄く聞き応えあるし、ラストシーンなんて音楽と合わせて完全に引き込まれました。でもめっちゃ尺余り、3分くらい無音。し〜ん。


友人と楽しく観たい映画

なんだかんだ言いましたが、面白い映画です。主人公が絶対無敵で賢く、情熱的で女性も落とせる男の憧れる男って感じが強く、物語もよくできてます。

映像の勉強はさっぱりなんですが、明らかに役者吊ってるなーっていうかなり不自然な動き、セットで撮影してるなーっていう背景処理の甘さ、さっきまで夜だったのに昼になっちゃったり、突然歌い出したり。良くも悪くも、友達とワイワイ言いながら観ると盛り上がりそうだなーっていう映画でした。少なくとも、「2001年宇宙の旅」よりは。

ちなみに、伝説誕生を観ると絶対に続編「王の凱旋」を観なければってなります。もうとにかくラストでびっくり。そりゃ絶叫するし、よく1年以上耐えたなインド人。けものフレンズの11話の時を思い出しました。どうなるの?これ。

何故人がB級映画にハマるのかは何となくわかった。でも並みのB級よりもおそらく面白い。だって無敵怪力おちゃめでロマンチックダンディ(鎧は無から錬成)のバーフバリだもん。マヒシュマティ万歳!

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